この誕生日がすごい!【12月6日】久石譲とキダタローの交わらない音楽人生

浪速のモーツァルトと日本映画音楽の巨匠を比べてみたった

同じ誕生日を持ちながらも、全く異なる道を歩んだ二人の作曲家、久石譲とキダタロー。それぞれが生まれ育った環境、音楽との出会い、そして築き上げた功績を比較し、その背後にある魅力に迫ります。

スポンサーリンク

二人の年の差はちょうど20歳

久石譲さんは1950年生まれ、キダタローさんは1930年生まれ。つまり、二人の年の差はちょうど20年ということになります。キダタローさんが大阪の下町で成人となる誕生日をお祝いしているちょうどその日に、信州・長野で久石譲さんがオギャーと生まれたかと思うと、なんだか微笑ましいですね。

スポンサーリンク

生まれた環境:それぞれの「人格」を形作ったのは?

  • 久石譲(1950年、長野県)
     久石譲さんは、自然豊かな長野県で生まれました。幼少期から音楽に触れ、ピアノを始めると同時にクラシック音楽や映画音楽に心を奪われました。幼い頃から環境音や自然のリズムを体感できた長野の風土は、彼の情緒的で広がりのある作風に影響を与えたことでしょう。
  • キダタロー(1930年、大阪府)
     一方でキダタローさんは、大阪市阿倍野区の下町情緒溢れる環境で育ちました。彼が親しんだのは、関西の独特な笑いの文化や、大衆芸能の華やかさ。その「浪花の血」は後年、コミカルで親しみやすい彼の作風に反映されます。大阪特有の人懐っこさやユーモアは、彼の音楽人生のベースとなりました。

音楽との出会い:異なる原体験

  • 久石譲:映画と現代音楽に憧れて
     久石さんは大学時代に現代音楽に没頭。東京芸術大学で学ぶ中、ミニマル・ミュージックや、エンニオ・モリコーネの映画音楽に影響を受けました。「誰かの心に直接触れる音楽を」という理念のもと、ジブリ作品をはじめ、多くの映画音楽を通じて心に残る旋律を提供。彼の音楽には、感情の深層に触れる「普遍性」が宿ります。
  • キダタロー:笑いと人情から生まれる音
     キダタローさんの音楽の原点は、関西喜劇と歌謡曲。クラシックを学んだ背景を持ちながら、彼は堅苦しい音楽よりも「みんなが歌える音楽」に重きを置きました。特に吉本新喜劇やテレビ番組のテーマ曲、CMソングなど、庶民の暮らしに寄り添う作品が多いのが特徴。

世間に残した功績:異なる「居場所」

  • 久石譲:世界へ羽ばたく映画音楽の巨星
     久石譲さんの代表作は、宮崎駿監督のジブリ作品。「風の谷のナウシカ」「千と千尋の神隠し」など、どの作品も彼の音楽なしでは語れません。また、指揮者としても国際的に活躍し、クラシック音楽と映画音楽を融合させたライブは、世界中のファンを魅了しています。彼の音楽は、時代を越えて世界に愛されています。
  • キダタロー:笑顔を生む庶民の音楽家
     一方、キダタローさんは「浪花のモーツァルト」として関西を中心に活躍。吉本新喜劇のテーマ曲として知られる「Somebody Stole My Gal」は、もともとアメリカで作曲された楽曲ですが、キダタローさんが編曲して庶民の生活に溶け込む音楽へと再構築しました。その他にも、多数のCMソングを手がけ、関西の笑いと音楽文化を支えました。

対比が示すもの:音楽家としての「目的」

久石譲さんが世界の人々を感動させる「普遍的な音楽」を目指したのに対し、キダタローさんは庶民の日常に溶け込む「共感の音楽」を作り上げました。二人の違いは、環境だけでなく、音楽との向き合い方、そして何より目指した「音楽の未来」が大きく異なります。

まとめ:同じ誕生日が生んだ違いと共通点

この偶然の一致をきっかけに、二人の音楽を聴き比べてみてはいかがでしょうか。映画音楽の荘厳さと、笑いに寄り添う庶民的な音楽。どちらも音楽という無限の可能性の中で、一つの頂点を築いた存在です。同じ12月6日が生み出した奇跡を、これからも楽しんでいきましょう。