モハメド・アリ10歳の誕生日
まだボクシングを知らなかった10歳のモハメド・アリ
モハメド・アリと坂本龍一は、同じ日に10歳の歳の差で生まれたという不思議な縁があります。
アリは1942年1月17日、アメリカのケンタッキー州ルイビルで黒人の貧しい家庭に生まれました。坂本は1952年1月17日、日本の東京都中野区で芸術一家に生まれました。
二人は生まれた国や文化、人種や宗教など、多くの点で異なる環境で育ちましたが、それぞれの分野で世界的な名声を得ました。
坂本龍一は、モハメド・アリの試合を見ていたはず
モハメド・アリは幼いころからボクシングに興味を持ち、12歳でジムに通い始めました。18歳のときにローマオリンピックでライトヘビー級の金メダルを獲得し、その後プロに転向しました。22歳のときにソニー・リストンを倒して世界ヘビー級王座を獲得し、その後3度の王座奪還を果たしました。
ジョージ・フォアマンやジョー・フレージャーとの歴史的な試合で勝利し、史上最高のボクサーと称されました。また、イスラム教に改宗し、ベトナム戦争への徴兵を拒否したことで政治的な論争を巻き起こしましたが、後に平和主義者としても尊敬されました。
坂本龍一は3歳でピアノを始め、小学2年生でバッハの音楽に傾倒しました。東京芸術大学で作曲を学び、在学中にスタジオ・ミュージシャンとして活動を始めました。1978年に細野晴臣、高橋幸宏とともにイエロー・マジック・オーケストラ（YMO）を結成し、テクノポップの先駆者として国内外で人気を博しました。
その後は一つのジャンルにとらわれず、現代音楽、ロック、ワールドミュージック、アンビエント、エレクトロニカなど多彩な作品を発表しました。映画音楽も手がけ、『戦場のメリークリスマス』で英国アカデミー賞、『ラストエンペラー』でアカデミー賞を受賞しました。近年は環境問題や憲法問題などにも積極的に発言しました。
坂本龍一がボクシングが好きだったという話は聞きませんが、希代の世界チャンピオン、モハメド・アリの試合は何らかの形で見ていたと考えるのが自然でしょう。
モハメド・アリと坂本龍一の共通点は、反戦
モハメド・アリと坂本龍一は、それぞれの分野で革新的な表現を追求し、世界に影響を与えた偉大なアーティストです。
二人は直接の交流はなかったと思われますが、もしも出会っていたならば、とくに反戦や環境問題のテーマで音楽やスポーツを通じてお互いに共感する部分もあったかもしれません。
アリは2016年に74歳で亡くなり、坂本は2023年に71歳で亡くなりました。活躍したジャンルは違えど、二人の功績は永遠に語り継がれるでしょう。
