お誕生日の前祝いはNG? それとも縁起がいい?

祝っちゃダメ?

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日本じゃ当たり前でも・・・

「誕生日のお祝い、ちょっと早めにやっちゃおうよ」「うん、今度の日曜ならみんなお休みだからね!」

日本ではよくありそうな会話ですが、そんな気軽な考え方が、実は国によってはタブーになることがあります。特にドイツでは「誕生日の前祝い」は不吉とされ、絶対に避けるべきものと考えられています。

一方で、日本には神道の考え方による「予祝(よしゅく)」という、まったく逆の発想を持つ文化が根付いています。

お祝いのタイミングひとつをとっても、文化によってこんなに違うんです。なぜ誕生日の前祝いがタブーの国があるのか? そして、日本の「予祝」とはどんな考え方なのか? それぞれの文化の違いを見てみましょう。

ドイツでは「誕生日の前祝い」は絶対NG!

ドイツでは、誕生日が来る前に祝うことは「不吉なこと」とされ、ほとんどの人が避けます。特に年配の人ほど気にする傾向が強く、誕生日の前に「おめでとう!」と言うことすらタブーです。

なぜ前祝いがタブーなのか?

  1. 「未来を確定させるのは不吉」という考え方
    • まだ迎えていない誕生日を祝うと、「その日までに何か悪いことが起こるかもしれない」と考えられている。
  2. 「死を招く」という迷信
    • 未来の出来事を祝ってしまうと、運命が狂い、寿命が縮むと信じられている。
  3. 当日にお祝いするのが基本
    • 誕生日になってから、初めて「おめでとう」と言うのが正しいマナー。
    • パーティーも誕生日当日に開くのが一般的。
    • ただし、誕生日当日の深夜0時を迎えた瞬間にお祝いするのはOK!

他の国でも似た考え方がある?

ドイツだけでなく、ロシアや中国でも誕生日の前祝いはタブーとされることがあります。特に中国では、「誕生日は運命と関わるもの」とされており、早めに祝うと「寿命を縮める」と考えられています。

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日本の「予祝」文化とは?

これに対して、日本には神社などの神道の思想に基づく「予祝(よしゅく)」という考え方があります。

予祝とは、「未来の成功や幸福をあらかじめ祝うことで、それを現実のものとする」というものです。この考え方の影響からか、日本では誕生日の前祝いも、特にタブー視されることはありません。

冒頭の会話のように、例えば子どもの誕生日が平日なら「みんなが揃う週末に少し早めのお祝いをしよう」といったことはごく普通に行われています。

予祝の具体例

  1. お花見
    • もともとは「桜の開花を祝い、豊作を願う」儀式でした。
    • 「春に花が咲く=秋には豊作になる」と信じ、先にお祝いをすることで、実際の収穫を成功させるという発想。
  2. お宮参り・七五三・お食い初め
    • 赤ちゃんの誕生後に神社へお参りし、健康や幸せを願う。
    • 七五三では、子どもの成長を祝うことで「今後も健やかに育つ」と信じる。
    • お食い初めでは、生後100日目に「一生食べ物に困らないように」と願い、赤ちゃんに食べる真似をさせる。
  3. 新年の初詣
    • 「今年一年が良い年になりますように」と願い、年の初めに神社にお参りする。
    • これも予祝の一種で、「先に良い未来を願うことで、実際に良い年になる」と考えられている。

現代における予祝の応用

最近では、予祝の考え方が「引き寄せの法則」や「アファメーション(肯定的な自己宣言)」と結びつき、ビジネスやスポーツの世界でも活用されています。

  • スポーツ選手:シーズン前に「優勝パーティ」をイメージすることで、実際に勝利を引き寄せる。
  • 受験生:「合格!」と書いたお守りを持ち、試験前から合格を祝う。
  • ビジネス:「成功する」と先に言葉にすることで、成功を引き寄せる。

誕生日の祝い方に見る文化の違い

ではなぜ日本では、神道の「予祝」の思想がすんなりと受け入れられ、誕生日の前祝いがタブーにならなかったのでしょうか?

これは、日本に「言霊(ことだま)思想」という考え方があったからかもしれません。

  • 良い言葉を発すると、良い未来が訪れる(逆もしかり)
  • 先にお祝いすることで、ポジティブな未来を引き寄せる

日本では「誕生日を迎えられるのは幸運なこと」として、前祝いを特に気にしない文化があります。「おめでとう!」「背が大きくなったね」「健康でいられてよかったね」とポジティブな言葉を口にすることで、良い気を引き寄せようとしているのかもしれません。

まとめ

「誕生日の前祝いはダメ!」という国もあれば、「未来を祝うと良いことが起こる!」という文化もある。どちらの国でも大切に思っているはずの誕生日なのに、いや、大切な誕生日だからこそ、たった一つの「お祝いのタイミング」にも、国や地域によって異なる価値観が強く反映されているのです。

  • ドイツでは「前祝いは不吉」とされる。
  • 日本には「予祝」という「未来を先に祝う」考え方がある。
  • どちらも「未来への向き合い方」が違うだけで、興味深い文化の違い!

こうした違いを知ることで、「なぜこの国ではこうするのか?」という視点が広がり、異文化理解がより深まります。海外の誰かの誕生日を祝うときには、ちょっとその国の文化も意識してみると面白いかもしれませんね!

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