「不義理の日」って知ってるかい?
エイプリル・フールに満足してる?
4月1日といえば、エイプリル・フール。「四月バカ」とも呼ばれるこの日は「(ポジティブな)嘘をついてもいい日」として広く知られています。これまでにもたくさんのユーモアあるジョークがエイプリル・フールに語られ、人々を驚かせてきました。有名なものをいくつか挙げてみましょう。
- ビッグベンがデジタルウォッチに進化!? 1976年のエイプリルフールに、BBC(British Broadcasting Corporation)のラジオ番組で、ビッグベンの修復工事を行うというニュースが報じられました。そして、修復工事の一環として、ビッグベンの時計の針を取り外し、デジタル表示に変える計画があるとされました。このニュースは当時、一部のリスナーを驚かせ、議論を巻き起こしましたが、実際にはジョークであり、ビッグベンは伝統的なアナログ時計のままでした。
- スパゲッティーのなる木!? 1957年、BBCの番組「パンオラマ」で、スイスのスパゲッティーの木が収穫される様子を放送しました。この映像は非常にリアルに見え、多くの視聴者が信じ込んでしまいました。このジョークにより、多くの人々がBBCに電話や手紙を送って「スパゲッティーの木」をどこで手に入れることができるか尋ねました。
- Google Nose(グーグル・ノーズ):2013年、Googleが「Google Nose」というサービスを発表しました。このサービスでは、ユーザーがインターネット上で香りを検索し、コンピューターからその香りを体験することができるとされました。これは完全なジョークでしたが、多くの人々が実際に興味を持ちました。
しかし、江戸時代の日本では、4月1日は「エイプリル・フール」ではなく、「不義理の日」と呼ばれていました。この日だけはどんな不義理をしても許される日? 「今日は無礼講だ!」みたいなこと!? いいえ、答えはNOです!
「不義理の日」ってどんな日?
この「不義理の日」について、現代ではあまり知られていないので、初めて聞く人も多いでしょう。
「不義理の日」の起源、いつ頃広まったのか、具体的にどんなことをする日だったのか、なぜ廃れてしまったのか、を順番に説明しましょう。
「不義理の日」とは?
江戸時代には、4月1日は、不義理を働いた相手に対して謝罪や疎遠になってしまっていた人に挨拶をする日とされていました。大切な誰かに対して不義理をしてしまった人々が、この日に改善の意志を示すことで、関係が修復されることを願った風習です。「今日は無礼講だ!」とは全く逆ですね。もっともっと、思慮深い風習です。
- 起源: 不義理の日の起源ははっきりとはわかっていませんが、日本における「不義理の日」は、江戸時代にさかのぼります。この風習は、不和を解消し、良好な人間関係を築るために始まったものと考えられています。
- 具体的な習慣: 不義理の日には、以下のような習慣がありました:
- 謝罪の手紙を送る 不義理を働いた相手に対して謝罪の手紙を送ることが一般的でした。
- 面会を求める 直接会って謝罪することも行われました。
- 贈り物をする 花や贈り物を贈ることで、関係を修復しようとする人々もいました。
「不義理の日」の習慣は、なぜ廃れたのか?
こんな素敵な「不義理の日」の習慣ですが、何故、現代人は忘れてしまったのでしょうか? 明治時代以降、西洋の文化が日本に広まり、エイプリル・フール(4月バカ)が知られるようになりました。このため、「不義理の日」は古い習慣としてとらえられ、次第に廃れていったと考えられています。
なぜ「不義理の日」が素晴らしいか?
私たち現代人は、江戸時代に生きた人々よりも、日常的にはるかに多くの人付き合いをしています。とくに歳を重ねた中年や高年世代においては、人生で大小の「不義理」を重ねてきたことは、誰しも心当たりのあることでしょう。
小さな後悔とともに、「ああ、あの人に謝りたいな」「何年も連絡できていないな」「今なら違う言葉がかけられるかしら」「せめて誤解をときたい」・・・など、心に抱えている「不義理」を毎年4月1日にひとつでもなくせたら、素晴らしいことだと思いませんか?
「不義理の日」の効能
効能1/人間関係の修復:
現代社会では、忙しさやストレスから人々は不義理を犯すことが誰しもあります。4月1日をきっかけに関係を修復し、心温まる瞬間を作りましょう。
効能2/感謝の気持ちを伝える機会:
不義理の日は、感謝の気持ちを伝える絶好のチャンスでもあります。少し距離を置いてしまった大切な人々に感謝の意を示し、もう一度深い絆を築きましょう。
効能3/思いやりと優しさの象徴:
不義理の日は、他人に対する思いやりと優しさを象徴します。小さな行動が大きな影響を与えることを実感できるのは、人生にも、社会全体にも、きっといい影響を与えてくれるはずです。
効能4/ユニークで楽しい風習:
現代に広まっている「エイプリル・フール」とは180度異なり、「不義理の日」は、人生に真剣な気持ちで向き合う日。気が乗らないことも記念日みたいにしてしまえば、ユニークで楽しい風習として、人々に広まりそうです。
「不義理の日」を復活させるステップ
もうすっかり「不義理の日」が好きになってしまったので(笑)、「不義理の日」を復活させるステップを考えてみました。あなたも「不義理の日」を広めませんか?
- 「不義理の日」キャンペーンに参加する: ソーシャルメディアやブログ、ウェブサイトを活用して「#不義理の日」を広めましょう。画像や動画を作成して、人々に意識を高めてもらいましょう。
- 友人や家族に「不義理の日」を教えてあげる: 身近な人々に「不義理の日」のことを話してみてください。彼らにこの日の意義や魅力を伝え、共感を呼び起こしましょう。
- まず自分がやってみる: まずは自分からやってみることです(私もやってみます)。まずは、縁遠くなってしまった昔の友人にLINEを送ってみるくらいでも全然OKです。心からの言葉が大切な人々に届きます。
- 不義理してしまった人と会ってみる: 直接会って謝罪することで、関係を修復できるかもしれません。LINEのメッセージや手紙に比べてハードルはかなり上がりますが、お茶を飲みながら話す機会を設けてみてください。
「不義理の日」は、人々の心を温かくする素晴らしい風習です。あなたのアクションが社会全体に影響を与えることを信じて、ぜひ広めてください!そして、「不義理の日」が復活する姿を想像してみましょう。
「不義理の日」が復活する瞬間を夢見て~エピローグ~
朝の光が差し込む部屋で、あなたは長い間スマホを眺めています。
ひとことだけのメッセージを書いてみる
机の上に座り、あらためてスマホを握ります。あなたは小さなトラブルから連絡しなくなっていた古い友人にメッセージを書いています。アプリはショートメッセージでも、SNSのダイレクトメッセージでも、LINEでもOKです。短くても心からの言葉を選びましょう。
花を贈ってみましょう
相手が親や兄弟姉妹だったら、思い切って花を贈るのもおすすめ。花は優しさと和解の象徴です。大切な人に感謝の気持ちと疎遠になっていたお詫びを伝えるために花を選びましょう。「急にどうしたの、花なんか贈ってきて」と思われたって、アクションを起こさないで後悔するより、全然いいじゃないですか。
思い切って、会いに行こう
不義理をしてしまった人々との面会を計画することができるなら、それが一番です。カフェでお茶を飲みながら、過去の誤解を解きほぐす時間を持ちましょう。電話やLINEではすぐにカチンときてしまう相手でも、実際に会って話せば気持ちは通じることが多いです。
笑顔と涙
あなたは友人や家族と再会します。メッセージを届け、花束を贈ります。笑顔と涙が交差する瞬間です。「不義理の日」が心温まる日として機能する社会では、毎年4月1日、人間関係が少しだけ修復されるのです。
一人ひとりの行動が社会全体に影響を与えることを信じて、この素晴らしい「不義理の日」を広めましょう!